畳を作る際のに出てしまう端材ですが、イ草農家さんが丹精込めて作られた物ですので捨ててしまうのはもったいないので私の店では補修材などとして再利用しています。
織り上げられている状態からイ草をほぐし取ります。
力任せに取るとイ草がちぎれてしまうので優しく取ります。
この時、織り込みの良い物はぎっちり詰まって織られているのを実感できます。
イ草を取っていくと中の糸が見えてきます。
これは麻糸と綿の糸の4本が一山にあり、私たちは麻綿とよんでいます。
他にも麻だけで4本入って織られている麻麻(高級です)
綿の糸が4本で織られている綿々。
ひと山に2本ずつの麻のシングル。綿のシングル等あります。
糸が多い事で丈夫さ、畳表のしっかりさが違います。
そして右の写真のように一本だけ色の違う糸が入っています。
これは国産の証。外国産にはありません。(最近は外国産にも入っているとの噂も…)
通常は織り込まれてしまうので分かりませんが、端材から分かりますね。
左の写真はほぐし取ったイ草。織り込まれた癖が付いています。このままでは使いにくいので水に浸けます。
右の写真は水に浸けた前と後の物。
水にじゃぶじゃぶ浸けて更に手で馴染ませていきます。
ある程度水を切り、真っすぐに整えて畳表にくるんで乾かします。
半日ほどでこのようにピンとしたイ草に戻ります。
左の写真では分かりにくいですが、畳のデコボコがあります。
高い所は擦れて傷みやすくなります。
そこへ用意したイ草を凹んだところへ入れて調整します。
そうする事でデコボコが無くなり畳の傷みも無くなります。
手間はかかりますが、ちょっとの事で畳が傷まず長く使っていただきたいので私の店では
補修に時間をかけています。
この作業は見えなくなっちゃうので違いが分かってもらえないのがちょっと残念ですけど(笑)
香りも良いので花瓶などに立ててイ草の飾りにもなりますね♪
以前、端材をもらっていった方が今回のようにイ草をほぐして編み込んでワインボトルを包む物を作っていらっしゃいました。
季節で取りに来る方は、ちまきを巻くのに持って行かれる方もいらっしゃいます。
丈夫なのでアイデア次第で色々使えそうですね。
無料で差し上げますのでお気軽にお声がけください。(数に限りがございます)